足るを知る   

2009年 06月 26日

6月のなかばに、ある病院を訪ねた時の出来事です。

その病院の2階にはリハビリのためにたくさんのお年寄りや
病後のリハビリの患者さんでいっぱいでした。

その中の一人の中年の車椅子の方が、ボクに大きな声で
「おーい!!おーい!!」
と呼ぶのです。
ボクは知らない人だし、なんだか避けて通りたかったのですが、
すごく大きな声で呼ばれていたので、渋々その2階に上がりました。

そして、近寄っていってボクはびっくりしました。
私と同じ業界の先輩で、すごくお世話になった方だったのです。

その方は私たち美容師にシャンプーなどを届けてくださるディーラーの方で、
それはそれは私の若いころ、並々ならぬお世話と指導をいただいた方でした。

ですが、昔の面影などなく、言葉もたどたどしく。。。
昔はすごい方で、業界で素晴らしい功績があり、眩しいほどの方だったのに。。。

ゆっくり言葉を探り聞いていくと、数年前『脳梗塞』か『脳溢血』で倒れられ
半身付随になられたらしい。。。
ですが、笑った横顔は昔のままでその笑顔を見ていたら、
涙がとめどなく流れてきて。。。
肩を抱き合い笑い泣きしました。
言葉では言い表せない気持ちになり。。。
自分の足るを知り涙が出ました。

そしたら先輩が携帯をポケットから出して、たどたどしい手つきで
ボクの携帯番号を画面に出して、
「これ、これ、ある。まだある。大切。」
と言うんです。
ボクはもうダメです。
涙でその場にいられないくらい感動しました。

そしてボクに
「すごくなったな~」
と言ってくれたのです。
ボクはなんだか胸がキューンとなり、涙をごまかし抱き合いました。

ボクが
「今度先輩お酒飲みに行こうよ~」
と笑顔で言うと、うれしそうにOKサインをくれました。

別れの時に、車椅子の先輩の後姿にまたグッっときて、泣きながら帰ったのでした。。。
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by bagzy | 2009-06-26 12:01

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