2010年 07月 18日 ( 1 )   

☆戸が笑う店☆   

2010年 07月 18日

仕事で、北陸の富山に行きました。
ボクの大好きなあのサンダーバードに揺られ、
右手に見える琵琶湖は、いつものようにキラキラと輝き、
トンネルを抜け出し、いざ富山へ。。。
とその時ひらめいた。

「福井で途中下車して、行きたいとこがあった!」

あの「壷中の天」(中国の逸話で、心のオアシスのような場所のこと)臼井煙草店です。

福井駅で降り、タクシーに乗り、

「呉服町の臼井煙草店にお願いします」

。。。運転手さんは、二つ返事で

「はい!」

。。。さすが。。。店名だけで、たどり着ける。。。

さすが臼井煙草店!

店に入ると微笑んだマスターと奥さん。

「仕事で富山だったので、寄りました~(^^)」

「いゃ~お久しぶりです。久保さん。
わざわざ、遠路はるばる、ありがとうございます。」

「まだ、明るいうちに気がひけますが、一杯頂けますか?」
(なんと、ここは、葉巻に合うお酒も飲めるBAR併設の煙草店!)

「もちろんです。じゃぁ、最初は、のどを潤すのに、ジントニックでもいかがですか?」

「わかってるな~(^^)お願いします」

目の前には、ズラリと世界中の煙草とシガー。

「何種類ほど、揃えてあるんですか?」

「ざっと300種類くらいかなぁ~」

「へ~みんな売れるんですか?」

「月にひとつ売れるか、売れないかのものも少なくないですけど。。。」

「それじゃ、採算が合わないんじゃないですか?」

「採算なんて考えてたら、やってられませんよ、
 まして採算が合うものは、その辺のコンビニにあるでしょ、
                うちは、コンビニじゃないし。。。」

「逆に言えば、コンビニにないから、お客さんが、わざわざ買いに来て下さるし。。。
         ましてや、うちがなかったら、お客さんが困るじゃないですか。」

「でも、それじゃなくても、利益率が低い煙草だし、それでもって、月一個じゃ。。。」

「そうじゃないですよ久保さん、
 利益率が低いからこそ、大手企業は参入してこないし、
  買い手が少ないから、コンビニも置かない。
    だから、うちの店は、生きていけるんですよ~」

「まぁ、そんなことより、ボクは、タバコを愛してるから。。。
        仕事って感じじゃなく、好きでやってるのかな~」

なんて会話が弾み、シングルモルトいきますか。。。
アイラ島の。。。と至福のひととき。

すると店の電話が立て続けに鳴り、まとめ買いのオーダー。。。

「~さん、いつもありがとうございます。
 マルボロを~個にパーラメント~個にピースを~個に。。。すぐにお届けします。」

「そんなにまとめて買う人が、たくさんいるんですか?」

と聞いてみると…

「近くの飲食店や飲み屋さんからの注文なんですよ~ありがたいことなんですよ」

「それに楽しいというか、面白いことがあって。。。
 実は、あの店とあの店は、よくマルボロを頼んでくださるとか、
 あの店とあの店とあの店は、よくパーラメントを頼んでくださるいうことがあるんです。
 ということは、両方の店にマルボロを好きなお客さんがよく来るのかな~とか。。。
 マルボロが好きな一人のお客さんが、二軒ともの常客なのかなぁ~
 なんて、想像するのが、楽しいんですよ。」

「逢ったことがないお客さんだけれど、注文があると、
 今日は飲みに出られてるんだな~とか、注文がご無沙汰だと、
 体調でも壊されてないだろうか?と心配したり。。。」

「お顔の見えないお客さんなんだけど。。。なんだか愛着がわいちゃって。。。」

なんて言ってるうちに、外は暗くなってきました。

マスターが、さり気なくカウンターとテーブルにロウソクを灯します。

「久保さん、店の照明少し暗くしますね~
 ロウソクの灯りのほうが、葉巻やスコッチが美味くなるから。。。」


ん。。。いい店です。

さり気なくマスターが、

「富山行きのサンダーバードは~分発だから、
 間に合うようにタクシー予約してますからね~久保さん(^^)」

ん~キテるなぁ~

タクシーに乗り込み、振り返ると、店の外で頭を下げるマスター。

ロウソクの灯りでたたずむお店。

戸(入り口のドア)まで笑って見えます。

昔から、いい店は、

『戸が笑う』

といいますが。。。

まさに

『戸が笑う』

店でした。
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by bagzy | 2010-07-18 10:19